若手社員の自律的キャリア形成とメンタルタフネスを育む、AI×コーチング「BOOST」トライアルの検証レポート
DeNA CHO室では、従業員が心身ともに健やかで、最大限のパフォーマンスを発揮できる健康経営を推進しています。
近年、環境変化に伴い、入社1〜3年目の若手社員における「キャリアの不安」や「メンタルの揺らぎ」が課題の一つにありました。メンタルヘルス不調の「一次予防(未然防止)」の観点からも、早期アプローチが不可欠な領域であるものの、従来のインプット型研修だけでは、日々の習慣化や行動変容への結びつきに限界がありました。
そこで今回、若手社員のパフォーマンス(心の回復力)向上とエンゲージメント強化を目指し、AIセルフセッションとプロの外部コーチングを組み合わせたメンタルヘルス・アプローチ「BOOST」を、若手11名を対象に3ヶ月間トライアル導入しました。
心理学のロジックに基づいた「BOOST」の仕組み
導入した「BOOST」は、認知行動療法などの心理学アプローチに基づき、ストレス対処と前向きな行動変容を習慣化させ、パフォーマンス発揮を後押しするハイブリッド型プログラムです。
-週1回(15分):AIセルフセッション
アプリを活用し、AIのナビゲーションに沿って「1週間のコンディション内省」と「翌週の小さなアクション(スモールステップ)」を言語化・記録。
-月1回(60分):プロの外部コーチによる1on1セッション
社内の利害関係から離れたプロのコーチがメンターとなり、課題やストレス要因の整理、自身の強みの再認識に向けた対話をフラットに実施。
「日々の客観的なセルフモニタリング」と「月1回の深い対話」の掛け合わせにより、自律的にコンディションを整え、パフォーマンスを高めていく仕組みです、
3ヶ月間の検証成果
プログラムを受講した「参加群」と、受講していない「モニター群(非参加群)」のスコア推移を比較・分析したところ、以下の点において差が見られました。
① ストレス対処力が14%向上

自身のコンディションや思考パターンを自己でモニタリングする習慣がついたことで、ストレス対処力が受講前後で14%向上しました。その結果、負荷の高い局面でも安定してパフォーマンスを発揮できる土台づくりや、メンタル不調の未然防止における有効性がデータとして裏付けられました 。
② 多忙期におけるエンゲージメントスコアの逆行改善

検証が冬の多忙期と重なったため、モニターのエンゲージメント(働きがい)スコアは低下傾向(−0.6pt)を示した一方、参加群のスコアは向上(+0.3pt)しており、環境の負荷に左右されず前向きに業務に臨む姿勢が維持されました。
③キャリア 自律スコアの改善幅が約3倍に

「自身のキャリアをどう築いていくか」という主体的・肯定的な意識において、モニター群と参加群のスコア改善幅は約3倍という結果になりました。漠然とした悩みが解消され、前向きなモチベーションへと昇華されたことが見てとれます。
受講終了後のアンケートでは、「プログラム満足度100%」「今後の継続希望100%」と、受講した若手社員自身も効果を強く実感しているのがうかがえます。
参加者の声
「毎週のセッションでコンディションの波をデータとして客観視でき、『今週は負荷がかかっているな』と早期に気づいてセルフケアに繋げられるようになりました」(入社1年目)
「社内の利害関係がない外部のプロコーチだからこそ、自身の課題やストレスをフラットに相談でき、客観的に自分を見つめ直す多くの気づきがありました」(入社2年目)
「漠然とした悩みが対話を通じて言語化され、明日からできる小さな行動に落とし込めました。自分で課題を解決できるという自信(自己効力感)に繋がっています」(入社3年目)
さいごに
今回の検証を通じ、テクノロジーとプロの知見を掛け合わせることで、若手社員の自律的なセルフケアとパフォーマンス・エンゲージメントの向上が日常の仕組みとして定着できる確かな手応えを得ました。
CHO室では今後も、単なる不調者への対応に留まらず、従業員が心身ともに健やかに主体的なキャリアを描き、組織の活性化と生産性向上に直結する「攻めの健康経営」を強固に推進してまいります。






