ダイバーシティの実現
多様性の確保に対する考え方
DeNAは、当社ビジョン(事業展望)において「挑戦心豊かな社員それぞれの個性を余すことなく発揮することで 世界に通用する新しいDelightを提供し続けます」と表明しています。また、バリュー(共有価値観)として当社が社会に約束する「DeNA
Promise」において「多様な社員が活躍し成長する環境作り」として多様性の尊重と歓迎を掲げております。
当社は、多様性の確保は、社会へのDelightの提供と、持続的な企業価値向上のために必須のこととして真摯に取り組む、ということを基本的な考え方としています。この多様性は、個々人がバックグラウンドや経験・スキル・性格などに基づき、異なる強みと多角的なものの見方を組織にもたらすことであり、性別・国籍・入社経路などの属性は、個々人のこういった多様性と一定相関があるとの認識のもと、代替指標の一つとして用いるものと考えています。
当社は、上記の考え方に基づき、多様性の確保に関して、性別・国籍・入社経路などの属性情報に基づいた社員数等の定量的指標のみは重視しておりません。多様な社員全員が、その個人の属性にかかわらず活躍できている、Delightの提供に向けて存分に力を発揮できている、と感じている状況の実現を目指しています。
その一環として、当社においては、2021年より、「多様な人材が活躍する環境に関するアンケート」として、当社全正社員に対して、性別・国籍・入社経路の属性情報を原因として、重要ポジションへの登用がされづらいなど、活躍しづらさを感じていないかを分析するためのアンケート調査を実施しています。
最新の、2023年10月から11月にかけて実施したアンケートでは、回答者(995/当社正社員1,385名)中、女性・外国籍・中途採用の各属性に該当する者のうち、これらの属性が原因で活躍しづらいと感じている比率は以下のとおりでした。
女性という理由 11.9%(30/252名) 外国籍という理由 16.1%(10/62名) 中途採用という理由 11.1%(88/795名)
前回、2022年10月に実施したアンケートでは、
女性という理由 15.2%(31/204名) 外国籍という理由 20.5%(9/44名) 中途採用という理由 11.7%(74/635名)
でした。いずれの比率についても改善しています。
前回アンケートの実施後、当社では役職員に対し、無意識のうちに持ってしまう偏見(アンコンシャス・バイアス)を自覚・改善するための研修や、会話で用いる言葉への意識改善を促す内容などを盛り込んだハラスメント研修の実施などの取組みを行いました。また、2021年度からは全ての中途採用者を対象として、多様性を重視する当社ミッション・ビジョン・バリューの理解促進や多様な従業員の相互理解を目的としたオンボーディングプログラムも実施しています。
今後もすべての質問項目において活躍しづらいと感じている社員の比率を低くすることを目指し、引き続き多様な社員が活躍できる環境整備及び様々な取組みを推進してまいります。
マネージャー間の連携の強化
ダイバーシティの実現のためには、マネジメントスキルの向上も不可欠です。
DeNAでは、いつもと違う視点に出会えるよう、普段業務上接することのないマネージャー同士が互いに学び合い高め合える場として、マネージャーコミュニティと称したプログラムを実施しています。コーチング講座やマネージャー間の対話の機会を設け、スキルの向上やナレッジの共有を促進しています。
ライフイベントとの両立をサポートする取り組み
2019年に、男女関係なく起こる結婚、育児、家族の介護・看護や自身の病気・不調など、さまざまなライフイベントと仕事の両立をサポートするために、「DeNA LIFE DESIGN PROJECT」を開始して以降、ライフイベントと仕事の両立を支援するための制度や福利厚生を定期的に見直しているほか、社員からの相談を受け付ける窓口を設けています。
出産・子育てについては、短時間勤務、ベビーシッター補助、産休前面談・育休復職者向けワークショップなどの支援制度を充実させており、当社の女性社員の約33%(2024年3月末時点)が仕事と育児を両立しながら働いています。また男性で配偶者が出産した社員のうち、育休を取得した男性社員は、約63%(※2023年度実績)です。厚生労働省「令和5年度雇用均等基本調査」の男性育児休業取得率30.1%を大きく超えており、平均取得日数も約64日となっています。

働く場所と時間の柔軟性を高める取り組み
DeNAでは、従来の”働き方改革”の推進に加え、リモートワークを織り交ぜた”AFTERコロナ時代”に最適な職場環境を実現するために、仕事内容によって出社とリモートを組み合わせても柔軟に仕事ができるオフィス環境づくりに取り組んでいるほか、状況によって就業場所を柔軟に選択できる複数拠点や遠方地居住勤務(申請制)の開始しました。2022年6月からは、オフィスから遠方に住んでいる社員でも出社しやすいように通勤交通費の上限を変更し、1日の上限を無くして実費支給※する制度も導入いたしました。このような環境の整備によって、遠方地に居住している従業員は累計200名超となり、2023年度には、エンジニア15名を含めた30名の遠方地居住勤務者を採用しています。
捺印業務や経費精算など出社を伴っていた業務も順次デジタルトランスフォーメーション(DX)化を行い、リモートワークにおいても、情報セキュリティを確保するための技術的な対策等を施しております。
一方で、『集まる場』としてのオフィスは重要性が高く、共創スペースを使いリアルに集まることで質の高いオフラインコミュニケーションが実現されることを期待し、2021年8月に渋谷スクランブルスクエア内新オフィスへ移転し、同時に横浜オフィスも開所いたしました。
新オフィスでは、フリーアドレスを導入し、共創スペース、ラウンジ、パーソナルブースなど、様々なニーズに対応できるオフィス空間を実現しています。
このように、リモートワークとオフィスワークを適度に組み合わせた働き方を実現するために、ワークプレイスの拡張、リモートワーク手当の導入など人事制度をアップデートし、さらに、シェアオフィスの活用や、ワーケーション施策のトライアル、業務での外出時や育児・介護の家庭都合等の場合に郊外地域で働ける場所の提供や社員間の人材交流に対しての支援も行っております。
働く時間については、スーパーフレックスタイム制度(コアタイムがなく、平日と休日の時間単位で勤務日の振替が可能。社員一人ひとりが自分のライフスタイルにあわせて働く時間を決められる勤務制度)を導入しており、個人の業務やワークライフバランスに応じた柔軟な働き方が可能です。加えて、副業活用や新たな労働力確保に適した制度についても整備を進めています。
※月の上限あり。上長の承認が必要であり、また一部業務では適用されない場合があります。
障がい者雇用の促進
DeNAグループでは、障がいの有無にかかわらず、メンバーがそれぞれの個性に合った形で責任のある業務に取り組むことができる環境を提供することにより、多くの方の活躍の機会を創っています。特に新潟カスタマーサポートセンターでは、より多くの就業意欲のある障がいをお持ちの方に活躍していただくため、「働きたいが通勤が難しい」という方の働き方の一つの選択肢として、2015
年度より在宅での勤務形態を開始いたしました。2020年には、障がい者が活躍できる機会を増やすことを目的にした子会社、『株式会社DeNAビジネスコミュニケーションズ』を設立し、新潟県新潟市に支社を設置し、DeNAグループから委託されたカスタマーサポート業務等を担い、障がい者の雇用機会の拡大と、働きやすい環境のサポート体制の充実を図ります。また、マッサージルームを福利厚生のひとつとして設置し、視覚障がいのある方を採用し、従業員の生産性向上のために、日々施術などのサービスを提供しています。2023年度の障がい者雇用率は3.0%となっています。社員の多様性を強みの源泉としているDeNAは、一人でも多くの障がいのある方が社会に出て自律的に生活することができる社会の一翼を担うために、これからも障がい者雇用を推進していきます。
新潟カスタマーセンターでの取り組み
外国人雇用への対応
DeNAグループでは、多様なユーザーに対して幅広いサービスを提供しています。日本だけにとどまらず、世界中のユーザーに対して、ミッションに掲げる「想像を超えるDelight」を届けるためには、様々な文化・国籍を持つ社員の力を活用することが不可欠です。DeNAグループでは、多くの外国人社員がそれぞれのバックグラウンドを活かしながらいきいきと働いています。DeNAでは、外国人社員の日々の業務や日本での生活をサポートし、パフォーマンスを発揮しやすい環境作りを推進しています。国籍や文化の違いによる思考や感性の違いを活かすことは、DeNAが今後もイノベーションを生み出し続けていくための強みになると信じています。
海外拠点における雇用・労働に関しての遵守条項の確認
DeNAグループでは、海外において、日本国とは異なる法律が適用されるため、現地の法令遵守の徹底に努めています。コンプライアンス遵守を徹底している企業として、すべてのステークホルダーの皆さまから信頼される企業を目指しています。