コンプライアンス
基本方針
DeNAグループの取締役、執行役員及び従業員は、企業の社会的責任を深く自覚し、日常の職務において、グループ行動規範、「DeNA Promise」及び「DeNA Quality」を実践するとともに、法令を遵守し、社会倫理に適合した行動を実践いたします。また、執行役員、本部長、部長等の各組織の長は各組織単位で、これらの実践を徹底できる組織運営をいたします。
DeNAグループ行動規範
このグループ行動規範では、独占禁止/競争に関する法の遵守、各国の刑事法や米国の連邦海外腐敗行為防止法(FCPA)を含む国内外の贈収賄関連法令の遵守、最低賃金制度を含む労働関係法令の遵守、強制労働・児童労働の禁止、人権の尊重、地域的・文化的な差異や多様性への配慮、セクシャルハラスメントを含む全てのハラスメントの禁止、人種・宗教・性別・年齢・国籍・出身・障がいの有無等に基づく差別の禁止、採用における機会均等、公平な開示、環境の保護等の重要なリスクについて定められています。また、グループ行動規範の制定にあたっては、国連の「国際人権章典(「世界人権宣言」を含む)、「ビジネスと人権に関する指導原則」、「グローバル・コンパクト」、OECDの「多国籍企業行動指針」、国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則および権利に関する宣言」等の国際的な規範の内容を尊重しています。DeNAグループは、あらゆる企業活動を行う中で、常に高度な倫理規範に従って行動し、グループ行動規範に定められた事項を誠実に遵守および実行します。
コンプライアンス体制の構築及び維持
コンプライアンス・リスク管理部門の設置
DeNAグループのコンプライアンス及びリスク管理を統括する部門であるコンプライアンス・リスク管理部門は、従業員個々人のまたは組織としての行動が法令を遵守し、社会倫理に適合したものとなるよう、従業員に対し法令・社内ルール等を周知するためのガイドライン・マニュアルの作成、コンプライアンス研修等の教育等を内容とする当社グループにおけるコンプライアンスプログラムを構築・運用いたします。また、コンプライアンス・リスク管理部門長は、その活動状況について定期的に代表取締役及び取締役会に報告いたします。
法令遵守に向けた取り組み
法令遵守体制強化への取り組みとして、DeNAグループから独立した立場にある社外取締役の複数選定による相互牽制体制の構築や日本及び諸外国・地域を含む各種法的規制への対応などを実施し、より実効性の高い組織の構築に努めています。
また、コンプライアンス・リスク管理部門は、各事業部門を横断する機能を持つ専任部署として、会社全体を見渡しながらコンプライアンスやリスク管理に関する方針の策定や適切な提案を行い、関連部署との連携や情報収集、啓発活動に取り組んでいます。
コンプライアンス・リスク管理部門は、法務部門と共同で、コンプライアンスに関連する課題を洗い出し、当社グループにおいて対応することが望ましい各種規程、ガイドライン、マニュアル、その他ルールの策定及び見直しを進めております。
人権尊重の取り組み推進を目的とした「DeNAグループ人権ポリシー」、独占禁止法遵守の徹底を目的とした「独占禁止法ガイドライン」、取引先とともに責任ある企業活動の推進を目的とした「パートナーガイドライン」など、日常業務における具体的な指針・手続きを明文化し、企業倫理の遵守を促しています。
個人情報を含む情報資産の保護・管理及び法令等への対応の決定等については、当社グループの事業運営上重要度が高いため、社長を委員長とする委員会の専管事項とし、当該委員会の基本方針に基づき、コンプライアンス・リスク管理部門と連携し、情報セキュリティ部門において運用いたします。
- 贈収賄防止への取り組み
「DeNAグループ行動規範」では、企業活動のあらゆる場面において、単に法令を遵守するだけでなく、高度な倫理観に従って行動することで、社会からの信頼を得ることができるという考えを示しています。
贈収賄に関しても、事業活動を行う各国の贈収賄関連法令や社内規則等に基づき、公正かつ倫理的に事業活動を行うことが重要であると考えています。贈収賄行為を提供・受領せず、贈収賄行為によらなければ得られない利益を追求しないという姿勢を明らかにすべく、2024年4月にDeNAグループ贈収賄防止ポリシー・規程・ガイドラインを制定しました。
贈収賄防止にあたっては、公務員等や民間の取引先等に対する接待・贈答、招聘、寄附、政治資金の提供、代理店等の起用に関するルールを整備するとともに、研修や監査についても更なる充実を図っていきます。
なお、2023年度において、汚職や贈賄等に関して法的措置を受けた事例はありません。
- 利益相反への対応
DeNAグループは、日々の業務で生じうる従業員個人の利益相反に関して、「DeNAグループ行動規範」における利益相反行為の禁止および回避に関する定めを具体化する目的で、「利益相反管理ガイドライン」を制定しました。
従業員の個人的な利害関係が会社の意思決定に不適切な影響を及ぼすことを防止するため、利益相反管理の目的及び適用範囲、利益相反に該当するおそれがある具体的な行為ならびに手続き及びしくみ(管理部署、相談方法、社内教育など)などを定め、解説しています。
本ガイドラインにより、従業員の利益相反管理に関する理解を深め、日常的に利益相反状態を回避又は解消する行動をとると共に、利益相反が生じた場合又はそのおそれがある場合には必要な対策を講じることにより、従業員の利益相反管理を行います。
- 「DeNAグループ税務ポリシー」の制定
DeNAグループは、税務に関して、事業活動を行う各国・地域の税務関連法令や経理関連規程、社内規則等に基づき、適正な申告・納税を行うことが企業の社会的責任のひとつであると認識しています。
税務コンプライアンスの取り組みをより高いレベルで実行するために、役職員の一人ひとりが準拠すべき税務に対する基本的な考え方や目指すべき姿を改めて明確化した「DeNAグループ税務ポリシー」を策定し、2022年9月の取締役会で決議しました。
本ポリシーの原則を遵守して適正な納税を果たし、税の透明性を確保するとともに税務リスクを最小限に留め、社会の持続的発展ならびに企業価値の向上に努めていきます。
コンプライアンス違反発生時の対応
コンプライアンス・リスク管理部門及び内部監査部門は、内部監査、内部通報その他方法の如何を問わず、重大な法令または定款違反及び不正な行為、当社グループに著しい損害を及ぼす恐れのある情報を把握した場合は、速やかに当社取締役(利害関係が生じる可能性がある取締役は除く)及び監査役に報告いたします。また、当社では社内の規律を維持し、違反行為に対する処分の公平性を図ることを目的として、懲罰委員会を設置しています。問題行為があった場合、必要に応じて委員会を開催し、就業規則に基づいて懲罰を科しています。
コンプライアンス研修の実施と意識強化
DeNAグループでは、新卒・中途採用ともに、入社時にオンラインまたは対面での講義形式によるコンプライアンス研修を行っております。また入社後も毎月、全役職員(正社員のほか、契約社員、派遣社員、アルバイト・パート社員等を含む)を対象に、日本語及び英語でのeラーニング形式のコンプライアンス研修を実施しています。行動規範研修をはじめ、各種関係法令の遵守、ハラスメントの防止、個人情報保護、インサイダー取引の防止など、行動規範に基づく重要なテーマを取り上げています。
コンプライアンス・リスク管理部門は、社会情勢・環境の変化や当社グループの状況に応じて事業年度ごとに法務部門と共同で研修内容の見直しを行っているほか、受講率や研修結果を把握・分析し、研修内容が全役職員に浸透するよう努めております。2023年度の実施回数は12回、受講者数は2,901名(2024年3月末現在)でした。
また、年に2回実施している組織状況に関するアンケートの回答を通じて、コンプライアンス意識の浸透状況を確認し、体制の強化に努めています。各組織は、コンプライアンス・リスク管理部門と連携し、コンプライアンス意識向上のための施策を行っております。
コンプライアンス・ハンドブックの配付
コンプライアンス・リスク管理部門及び法務部門は共同で、具体事例に即したグループ行動規範の解説並びにリスクマネジメント体制及び内部通報制度の紹介等を内容とする「コンプライアンス・ハンドブック」を全従業員向けに作成しており、代表取締役の名において全従業員に対して周知しております。
内部通報制度
内部通報制度は、DeNAグループの取締役及び執行役員及び従業員の他、退職者及び取引先従業員等も対象とし、匿名での通報も受け付けています。また、社内窓口のみならず監査役及び社外の弁護士も窓口としており、グループ行動規範及び社内規程において、通報者の秘匿性の確保及び通報者に対する不利益取り扱いの禁止を定めております。各内部通報窓口に通報があった場合、内部通報制度を運用する内部監査部門が必要に応じて調査を実施することとしているほか、内部監査部門は、内部通報の内容を取締役、監査役、取締役会、コンプライアンス・リスク管理室長に報告することとしております。
なお、ハラスメントに関する相談については、人事部門のハラスメント相談窓口でも受け付けるものとしています。
2023度においては、当社グループ全体で、内部通報制度やハラスメント相談窓口を通じて28件の相談・通報が寄せられ、内容としては社内規程や人間関係に関するもの等でした。
●通報・相談の流れ
内部通報窓口