明治学院大学プログラミング体験会レポート こどもも学生ボランティアも成長する場に
2018年6月、明治学院大学横浜キャンパス ボランティアセンターにてプログラミング体験会『明学×DeNA「プログラミングゼミ」』を開催しました。当日は小雨で肌寒い梅雨らしいお天気でしたが、横浜市の小学生はもちろん遠い方は埼玉県から39名の子どもたちにお越しいただきました。
今回の体験会は明治学院大学で行われているボランティアプログラム「1 Day for Others」の1つとして実施されました。明治学院大学の学生が企画しDeNAにお声がけいただいたことで開催が決定。大学1年生~3年生7名が参加し、DeNAのプログラミング教育推進メンバーとともにイベント企画から参加者の募集、当日の運営までご協力いただきました。
まずはボランティアメンバーも『プログラミングゼミ』を初体験
プログラミング体験会では、DeNAが開発した小学校低学年向けプログラミング学習アプリ『プログラミングゼミ』を使うため、事前に学生ボランティアにレクチャーを行いました。まずはアプリ内のキャラクター「そらもん」をブロックプログラミングで動かしケーキを食べるというパズルにチャレンジ。答えは何通りもありますが、いかにシンプルなブロックの組み合わせでケーキまでたどり着くかというのを考えると意外と悩む学生も多いようでした。
プログラミングゼミでは、自分で描いた絵などを取り込んで0から新しくプログラミングの作品を作ることもできます。今回はアプリ内にあらかじめ作品のベースを準備した「はじめてのストーリー」を使って、"Aが、Bを投げる"という作品(例えば、「忍者が手裏剣を投げる」など)を作ります。
まずはAがBを投げるためのプログラムを組みます。アプリではあらかじめBに「キャラが呼び出されたら右を向いて10進み、ちょっと待つ」というプログラムを何回も繰り返し入れています。子どもたちがAに「Bを呼び出す」プログラムを組むことでBのプログラムが作動し、AがBを投げているような作品が作れます。さらに、アプリ内のカメラ機能で絵(キャラ)を取り込んでAとBに当てはめれば、作品は完成です。
以上の内容とプログラミングゼミの使い方をマスターしたらいよいよ実際の先生として参加します。
第1回は学生も緊張気味?「面白い!」「1時間じゃ足りない!」声多数
体験会は午後から1時間ずつ計2回開催しました。参加者は小学校1年生から6年生まで、1回につき20人弱が集まりました。各テーブルに子どもたち約3名、学生が1人ずつつきます。第1回目の開場と同時に続々と子どもたちが来場。普段小学生と会話をすることがほとんどない学生ばかりということもあり、学生たちの緊張が伝わってきます。
体験会では、プログラミングゼミ開発者で講師のDeNA 末廣がレクチャーし、学生が子どもたちをフォローします。ケーキを食べるパズルではパズルを簡単にクリアする子もいれば、クリアするのに苦戦する子もいて、学生にとっては、担当した子どもたちのそれぞれの習熟度に合わせたフォローが難しかったようです。
作品作りでは、DeNAが用意したキャラクター画をタブレット端末で撮影し使います。各自好きなキャラクターを取り込んで、ブロックを組み合わせてプログラムを組んだら「AがBを投げる」アニメーションが出来上がり。さらに教室や外の風景を撮影して背景に設定したら立派なアニメーション作品が完成です。子どもたちが保護者の方々に作品をお披露目すると、「こんなのがつくれるんだね」「どうやって動いてるの?」と親御さんも興味津々の様子でした。アンケートでも「1時間じゃたりない!」「小学校低学年でもとてもわかりやすいので、家でも子どもに使わせようと思いました」など好評でした。
第2回は学生ボランティアも大成長。子どもと一緒に親御さんも体験
今回の体験会では、子どもたちの学びはもちろんですが、第1回の経験を活かしてボランティア学生が運営や子どもへの教え方を改善したのも非常に印象的でした。1年生~6年生まで幅広く子どもたちを受け入れるため、学年の差からどうしてもパズルの進捗がずれて教えにくいなどの課題がありましたが、第2回では学年がなるべく近い子どもを同じテーブルに座ってもらうなど工夫していました。
また子どもたちに楽しく取り組んでもらうために、積極的に声がけをしたり、できたら一緒に喜ぶなど、子どもたちへの接し方を改善した結果、会場の雰囲気がより盛り上がりました。
第2回では見学の保護者にも1人1台タブレットを配布し、子どもたちと同じようにプログラミングゼミを体験いただきました。2020年にプログラミングが小学校で必修化されることもまだまだ一般に知られていない中で、プログラミングに触れたことのある保護者はまだまだ少ないのが現状です。IT技術が日常生活に溶け込むこの時代で、さらにプログラミング教育が当たり前になった時、大人も「プログラミングとは何なのか」「プログラミングを学ぶことで子どもたちがどんな気づきを得て将来にどう活かされるのか」を知っておく必要があります。
終了後のアンケートでは、ほぼすべてのお子さんに「楽しかった」と評価いただきました。「自分でアプリやソフトを作ってみたい」「ぼくの夢はロボットクリエイターです。ひとの役にたつためにこのアプリを利用して将来に活かしたいです」など嬉しい感想も。体験会を通して、何がプログラミングで動いているのか、プログラミングでどんなことができるのかを知ることで、"使う"だけでなく、ノリやハサミを当たり前に使うようにプログラミングを自分の考えた物事を表現する手段として活用できることを体感いただけたようです。
保護者の方からも「親も一緒に楽しめてよかった。家でも使ってみようと思います」「家でラズベリーパイをやっていますが、プログラミングゼミは外出先でもできるのがいい」「6年、4年、2年生3兄弟みんなで楽しめました」など好評いただきました。
今回ご協力いただいた明治学院大学の学生ボランティアは全員プログラミングの経験のない方でしたが、今回の経験を通して、プログラミングの概念を理解いただくとともに、CSR活動についても興味を持っていただくことができました。また「取り組んでいくうちに自分も楽しむことができて達成感があった。教育系の勉強をしており、子ども達への接し方や教え方など新たに気づけた部分があったので参加してよかった」 「小学生に何かを教えるということはほとんどしたことがなかったのでどのように対応すれば良いかわからなかったが、少しのことでも褒めたり大きな声でゆっくり明るく話したりすることがいいと気付けた」などの感想があり、子どもと関わることの面白さややりがいなども感じていただくことができました。
DeNAでは引き続き、コンピューターがあたりまえに生活にある時代に生きる子どもたちが「情報技術を思考の道具として活用する能力」を身につけてもらえるよう、プログラミング教育の普及に向けて取り組んでいくとともに、地域の学生や学校、ボランティアと協力して、子どもたちの未来を広げる活動に取り組んでまいります。